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【第9回】〜金沢八景〜マゴチ|最高の味で食べる どう食べるかに合わせた〆方
どう食べるかに合わせた〆方を覚えておくべし
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何度も釣り上げてるハズのダイワ・フィッシングインストラクターの小堀友理華さんも、マゴチは一匹釣り上げるごとに満面の笑顔。
 それにしても、そうした資源を大切にする意識があればこそ、特に大事にしなければならないのが、釣った魚を大切に美味しく食べるということではないだろうか。
 釣り船に乗ったとしても、一匹も釣れないまま終わることすらあるマゴチは、なおさら貴重な魚である。誰もが最高の味で食べてみたいのが心情だ。
 となると、魚を釣ったあとにはこの連載で、何度も紹介してきた神経締め≠施すのが当然だと思っていたのだが…。
「もちろん、一片の刺身の味を最高に引き出すという点では神経締めは最高の方法だし、今回もそうしたが、実はどんな場合でもそれでなければならないということでは、決してないんだな」
 ウエカツが驚くべきことを口にした。
「魚の締め方で代表的なものには、野締め∞活け締め=Bそして、活け締めの一種として神経締め≠ェあるわけだが、活け締めというのは、即殺して血抜きをほどこしたもの。そして野締めというのは、ただ単に、クーラーの中の海水氷につけることで魚を殺すという方法で、やはりそれぞれにメリットはある」
 血抜きが一般的になり、神経締めすらもよく聞く言葉になった今、
野締めとは、なんとも残念な方法という気もするのだが…。
「魚には血の旨さ≠チていうのもあるんだよ。特に新鮮なウチは。野締めだからダメっていうんじゃなくて、それぞれの味わいがあるっていうことだね。そのかわり野締めは、ひとえに鮮度が命。新鮮なその日のうちに食べるというのがお約束。もちろん血には香りがある。この香りは鮮度が落ちれば臭み≠ニなる。だから、野締めの魚は、その香りを臭みにしない、いい方向に活かすように隠すような調理方法を採ればいい。血だけじゃなくて、東京湾で釣れた魚に関していうと、ちゃんと神経締めを施したにも関わらず、川魚にも似た独特の香りを感じることがある。これも臭みとは紙一重なんで、下処理を工夫したり、香りを臭みに変えない調理方法をしてあげる。要は、その魚の特性、そしてその魚を食べる時合、それぞれに適した処理・保存・調理方法を、魚と相談しながら決めればいいとうことなんだね」
 はたして今回、『食楽』の撮影に合わせて作られたマゴチ料理は、説明もいらないほどに、これぞコチ味とも言える最上の味覚を放っていた。その全貌は次ページで!!
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(1) 船中は生け簀で活かし、帰港後に脳へと手カギを一撃し即殺。
(2) 両エラにナイフを入れ常温海水で血抜き。
(3) 締め具で脊髄を破壊後、5度の海水で冷却。
(4) タオルなど敷き、氷に触れさせず保管。
今回の船宿「一之瀬丸」
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神奈川県横浜市金沢区洲崎町6-7
TEL 045-782-3714
【料金】乗合は半日・大人6,200円から
東京からも近い、横浜は金沢八景駅から徒歩で5分。豊富な釣りモノと、ホスピタリティーあふれるサービスで、初心者からベテランまで人気の船宿。
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